2006年 03月 02日
助け合う植物達 |
前回に続き、またまた、ポデーレ・ベッチの葡萄畑です。葡萄畑は列になっていて、良く見ると、1列おきに、地面に丈の低い植物が植えられています。これは"faveni neri"(ファベーニ・ネーリ)と呼ばれるマメ科の植物。マメ科の植物は、空気中にある窒素(イタリア語でazoto=アゾートと呼びます)を吸収し、地中に定着する役目を持っています。また、植物の成長をうながすバクテリアの活動を活発にします。窒素を必要とする、葡萄は、こうして列の間に植えられたファベーニから排出される窒素を吸収して元気に成長するのです。片側は作業に必要なため空けておき、1年おきに交互に、毎年11月頃このファベーニの種をまきます。寒さに強いので、2月にはこのように4センチほどに成長し、4月ごろには花が咲きます。
花が咲いたら、クワで葉や茎ごと地中に混ぜ込みます。この農法は"sovescio"(ソベッショ)と呼ばれ、私も、トマトやナス類とマメ類を交互に植え、実践しています。
こうすることで、無駄な堆肥を与える必要もなく、もちろん化学肥料も要りません。以前、お伺いしたあるアグリツーリズモで、アンティークの農業カレンダーを見せていただいたことがあります。年号が1890年頃の地図で、当時、あちこちの農地を持っていた貴族が、毎年何を植えたのかを記録した覚書でした。それを見ると、小麦→ルピーニ(マメ科の植物で、お豆は塩漬けにしたり、家畜の餌として利用されていました)→小麦→ルピーニ、でした。
こんな一昨日のポカポカ陽気の画像をアップしていますが、←こちらは昨日の朝の様子。夜間、ドカッと雪が降りました。幸い気温は高いのですぐに溶けてしまいホッと一安心です。トスカーナでは、"Sotto la pioggia c'e' la fame, sotto la neve c'e' il pane"という諺があります。直訳だと「雨の下には飢えがあり、雪の下にはパンがある」。
激しく降り、土を固くしてしまう雨は何も産まないけれど、少しずつ溶けて土の中にゆっくりとしみこんでくれる雪は恵みをもたらしてくれるという意味です。確かに、雪の下は気温があまり下がらないんですよね。トスカーナのお百姓さんは昔、麦を植えるのに、雪がふる直前に種まきをしていたそうです。こうして、たっぷりと雪の水分を含んで膨らんだ麦は、雪の下で少しずつ芽を出し、太陽があたり雪が溶けると、一気に成長するそうですよ。
我が家のお庭の球根たちも大分芽を出してきました。雪が降って、ちょっとビックリしたかな?
がんばって春には綺麗なお花を咲かせてね♪
来週半ばから、お天気が回復するそうです。あ~ほうれん草の種を撒かなくては!
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by lacasamia1
| 2006-03-02 19:49
| フィレンツェのアグリツーリズモ